まず灸を据える目印としてサインペンなどで印(灸点)をつけます。灸点にあらかじめメンソレータムなどの軟膏を塗り、艾(がいしゅ=捻った艾)を立てて線香の火を点じます。1つの灸点に1から5壮、多くて8から10壮続けて据えます。一瞬チクリと熱さを感じますが、すぐに冷めるため火傷の心配はまずありません。
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お灸は、当院では大まかに「直接灸」と「温灸」の2つに分けられます。お灸には気血の不足を補う力があり、炎症の沈静化にも有効です。
直接灸とは、小さく捻った艾(もぐさ)をお客様の肌に直接乗せて火をつけるお灸です。大きくとも生米一粒を半分にしたほどの大きさ(半米粒大)で、小さいものでは艾の繊維を細く取り分けただけの大きさ(糸状灸)まで、当院では、症状やお客様の感受性、肌質にあわせて刺激量を決めます。
稀に粟粒大の水泡が出来ることがありますが、掻き破らずに放置すれば跡になることはありません。直接灸は、炎症を起こしている患部の治療にとても効果的です。
温灸とは、ある程度の大きさにまとめた艾に火をつけ、お客様の肌には直接触れさせずに治療部位を温める方法です。市販の「せんねん灸」もその一つですが、「せんねん灸」は刺激が強く火傷になりやすいため、当院では別タイプの温灸(カマヤミニ)を使用します。
直径8mmほどの小さな紙筒の中に艾を詰めたもので、筒の一方の縁に糊が付いており、肌にこちらを接着します。肌に載せる前に紙筒から7分ほど艾を押し出して肌との間に空間を作るため、肌と火の付いた艾が触れ合うことはありません。
熱く感じてから1分間ほど刺激が続きます。肌質や体調によっては稀に火傷になることがあるため、お客様が刺激を強すぎると感じた時はただちに取り除きます。
温灸には、カマヤミニの他に、棒状にまとめた艾に火をつけ治療部位を炙るように温める「棒灸」や、木箱内に取り付けた網の上で艾を燃焼させ、腹部や腰部など広い範囲を温める「箱灸」があります。これは主に冷えから来る症状の改善のために行います。
お灸と鍼(はり)は、実際には1つの治療項目として、症状により使い分けながら施術を行います。